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Posted by 滋賀咲くブログ at

薪の大きさと着火・燃焼

2013年02月17日

前回、薪の乾燥と燃焼、薪の燃焼と煙の事を書きましたが、今回は薪の大きさと着火・燃焼の事を少し。
皆さんストーブに火を入れられる時、あるいは野外で焚き火をされる時、細い焚きつけから始まり少しずつ太い薪にして行かれるでしょう。始めから大きな薪では着火しない事をお解りのはず。
(巷のYouTubeなどを見ますと着火剤を使い簡単着火とか、太い薪にもいきなり着火とかいろいろな記事や動画が出ているのは面白い。)

さて、薪に火が付くとはどういう事か考えてみましょう。
細い薪に簡単に火が付くことは誰でも理解できます。ではその薪を太く、限りなく太くしたらどうなるでしょう。ある太さまで来ると火つきが極端に悪くなる事、火が付かなくなる事、感覚的にはご理解頂けるでしょう。そこにはどうやら薪の表面積と質量の関係(バランス)が存在する様です。

話は少しずれますが、ログハウスは火災に強い事ご存知でしょうか。100%木でできているログハウスが火災に強い(燃えにくい)これは薪の燃焼に通じるところがあります。

では薪が燃える時、薪の中で何が起こっているか整理しましょう。(これは大まかな流れとご理解ください。)



焚きつけに火を付けて小割りや普通薪を投入しますと、まず90度くらいから木材内部の水分蒸発がスタートします。もちろんこの水分が多いとその蒸発に燃焼エネルギーが使われ暖かくならない、いわゆる本燃焼まで時間がかかる事は理解できるでしょう。(薪の乾燥がいかに大事かと言う事ですね)



続いて260度くらいでタールを含んだ気体(燃焼ガス)が放出されます。この時、薪の細胞壁が固い樹種はパチパチとはじく音がします。また、ここで温度が上がり続けないと放出気体は液化します。すなわちタールや煤が溜まる状態です。(初心者がよく陥る状態です)
キャタリティックコンバスター(以下触媒)の付いたストーブは、この260度以上に触媒を温めることで放出ガスを低い温度から2次燃焼させますし、クリンバーン燃焼は2次空気と炉室の反射余熱を使って2次燃焼に持ち込みます。そして順調に比較的クリーン燃焼が連続して起こります。

さて、限りなく太い薪と言いましたが、巷で言う大割の薪を入れると(概念的に一升瓶程度と考えてください)この時どんな現象が起こるのでしょうか。
ストーブ内を考えますと炉内に大きな熱量が存在しないと、大割薪の中心部に熱を伝えることができなくなります。すなわち水分が多い薪同様に薪のエネルギーが表に出て来ずに、自らの薪を加熱する方に使われます。(暑いお湯に氷を入れる様なイメージでも良いかもしれません、)
その結果、火が付きにくい、燃えにくい、ストーブの温度が思うほど上がらないという現象が起こります。



ところが薪ストーブユーザーには、就寝時に薪を投入し朝まで熾き火を残したい、そのためには長時間燃えるであろう大割の薪を投入したい、こんな願望や思いが存在します。
それがいつの間にか大割薪崇拝になったり、大割薪一辺倒になったりしているのではないでしょうか。その昔、就寝前はあえて未乾燥薪を投入する、いったん水に浸けて投入する様な話も聞きました。これはもう話にもならないとんでもない大間違いです。

整理しますと、大割は熾き火がたっぷりない場合、表面積と質量の関係から、表面の燃焼より中心部の温度を上昇させるために沢山の熱量を必要とし燃えにくく、温度が上がらない。



すなわちストーブの温度が上がらない、低温で燃えて未燃焼状態が起こり易い(未燃焼ガスが出る)、いつまでも煙突から煙が出る、煤やタールが溜まり易い、ご近所に煙の害が出る、などの問題に繋がり易い事を知らねばなりません。

さて、薪ストーブユーザーの皆さんの中には、自ら薪割をされる方も多いでしょう。その時、薪の燃える至福の時間と労力の効率化を考えると大割を作りたがるものです。
その場合、杉やヒノキの様な質量の軽い樹種やナラやケヤキ、樫などの質量の重い薪で大割を作る時、同じ大きさに割る事は燃え方に差が出る事を知っていただきたい。また、1年乾燥で燃やすのか、2年乾燥薪にするのか、どうした状況で燃やすのかなど考えなければなりません。
そう考えますと良く乾燥させた薪でも、一般的には普通割あるいは少し大割程度にした方がいろんな場面で使いやすいと思います。

私の結論は、大割ばかり作るのは考え物、むしろ普通割でしっかり乾燥したほうがエネルギーは安定して効率良く取り出しやすい、あえて大割を作る場合は特に乾燥と樹種(重量)を十分に考慮し、表面積を多くした割方が良い、そしてたっぷりの熾き火がある時に投入する、です。
今回は表面積と質量(重量)の関係(比率)などは特に詳しく計測はしていませんが、一般的な普及を考えるには、数値や比重を知ったかぶりで振りまわすより、あえてこうした表現が良いと思います。

まだ十分に表現できない部分もありますが、皆さんの薪ストーブライフでご参考になれば幸いです。


  


Posted by 薪割りくらぶ at 16:47Comments(0)