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Posted by 滋賀咲くブログ at

大割薪は薪ストーブの火持ちに推奨されるのか

2014年05月26日


薪焚きシーズンが終わり、薪作り真最中というユーザーも多いと思います。
ところで皆さんが作る薪サイズはどれくらいが多いでしょうか。
所属する薪割クラブでも結構大割の薪を作る方もいる。また以前お届けした方はもっと大割薪がよいとおっしゃった。
「大割はストーブの火持ちが良い。」実は私も以前その様に考えた時期がありました。
はたして薪ストーブで火持ちを良くするためには大割が推奨されるのだろうか。




まず、前提条件として大割薪の概念を考えてみよう。私のFB友達は「大割は一升瓶クラス、普通薪はビール瓶クラス」と言ってくれた。私もその概念に同感である。
ところが巷ではそうでもないらしく、ストーブに入る大きさギリギリという愛好家もおられるようだ。おそらくそうしたストーブは確かに朝まで熾き火が残っているかもしれない、そして居室内では煙の臭いもしない。
しかし煙突から出る煙ははたしてどうだろうか。住宅街近くなら、いがらっぽい煙が出て、くすぶった状態が続きご近所迷惑も甚だしいなんてことは良く聞く話だ。





 薪の燃焼が、100度付近で水分蒸発が起こり、260度付近になると揮発成分に着火する話は、最近はどこのメーカーや販売店でもポピュラーに出てくるようになった。喜ばしいことだが、薪ストーブユーザーの関心事は、自分のストーブがいかに効率的で火持ちが良いかにあるようだ。
そして次の発想は、薪を大きくすれば長く燃焼する(火持ちが良い)となる。
以前から薪の燃焼について考察を重ねてきたが、最近は「薪が大きければ良い」という考え方がすべてではないように思っている。
点火して薪が燃える時、薪に着火する温度に上がるには補助燃料や小さな焚きつけが必要となる。では小さな焚きつけはなぜよく着火するのか考えると、薪が持つ質量(重量)と表面積の関係が見えてくる。
ベニヤ板の様な薄いもの、小枝の様な細いものはよく燃える。それは質量に対する表面積が大きいため温度が上がり易い事が理解できる。では薪ストーブにギリギリ入るような大きい薪はどうだろうか、そんなまきが轟々と燃える様な現象をあまり見た事がない。
それは中心部までの熱の上がり方が遅いからだろう。というより燃焼に使われるはずの熱量が薪自体を温める為に使われ下手をするとせっかく着火した表面すら消える可能性がある。これはログハウスが耐火仕様となるメカニズムと同じことと考える。

ログハウスの様な太い薪は明らかに重量に対する表面積は小さい、従って薪自らが発火する温度に到達するには、外部から中心に向かってそれだけの熱量を送り続けなければならない事になる。
薪が燃えるメカニズムは複雑だ、これに水分が加わればなおさらである。

薪の(木の)平衡含水率は地方によって違うだろうが、ざっくり15%前後と言える。20%以下が推奨されるとして大割薪を作った場合、本当に次のシーズンまでに乾燥はできるのか。これは大きな判断の分かれ目と思っている。
薪は大きい方が良い、水分は低い方が良い、そんな都合の良い話が薪を割ってわずか一年にも満たない時間で通常の場合実現するとは思えない。
もし大割薪を作り薪ストーブで十分に効果を上げるのであれば、それなりの環境や工夫が必要だろう。
そう考えるといくつかの方策が見えてくる。
① 薪を大きくしたいなら導管方向を短くして乾燥を早める工夫がいる。
② 薪を大きくしたいなら表面積も大きくする工夫がいる。
③ 薪を大きくしたいなら雨には当てず、いつも薪の周囲に日が当たり、風(空気)がよどまない様にする工夫がいる。





さてこのような事をどんな方法で実現するかである。
人工乾燥器に入れるなど本末転倒、薪の乾燥に人口エネルギーを使えば薪は燃えても他でエネルギーを失っている事になる。
私はたまにだが、大きな薪にスリットを入れて表面積を増やし、乾燥を促進する事をやってきた、しかしそれなりに手間もかかる。短くカットすればハンドリングや保管も難しい。
私が行きついた現状の考えは、最初のFB友達の話しに戻るが、「大割は一升瓶クラス、普通薪はビール瓶クラス」に落ち着いた。
やはりこれくらいの薪が一番扱いやすく、乾燥も適度に進み、燃焼にも問題は少ないと思える。



薪作り、簡単に誰でもできるようで実は奥が深い。
そして日本の田舎の生活で古くから培われ、引き継がれてきた先人たちの知恵が眠っている。
さて、薪ストーブユーザー各位のお考えやいかに。

  


Posted by 薪割りくらぶ at 20:32Comments(0)

京阪エンジニアリング「薪ストーブ講習会」

2014年05月01日

4月29日、私たちの活動に賛助いただいています京阪エンジニアリング㈱の薪ストーブ講習会が開催されました。
場所名神竜王インター近くドラゴンハット、折しも雨模様でしたがここは全天候型施設、今年も盛況で1000人以上の来場です。
9時にはクラブ員が集合、いつも通りテキパキとした段取りでたちまち薪割りブーズが設営されました。
隣には同じ賛助会員の駿遠商事とハスクバーナ・ゼノア大阪支店が出展で私たちのブースも盛り上がります。


すでに会場は開会前から来場者の熱気でいっぱい、メインステージでは私たちのクラブ紹介も戴きました。


私たちの出店は薪割り体験と薪のお悩み相談です。ブースにもたくさんの方々が来場いただきました。




特に乾燥薪の問い合わせや相談、活動についての問い合わせがたくさん寄せられました。


私たちは日ごろ山の中の地道な活動ですが、活動の輪を少しづつ広めていきたいものです。
  


Posted by 薪割りくらぶ at 07:22Comments(0)