シーズン間近、薪は乾燥していますか。
2013年10月11日
秋風が吹き、いよいよ薪焚きシーズンが目の前まで来ました。
薪ストーブユーザーは薪の確保や整理に余念がないことと思います。また、併せて山からの伐り出しシーズンもやってきました。我がクラブの皆さんも2年後の薪作りを進めておられる事でしょう。

さて、今日は薪の市場価格と乾燥・薪の発するエネルギーについて少し考えてみたいと思います。
以前にも書きましたが薪は完全乾燥(水分ゼロなら)ですと4800kcalの熱量を発します。乾燥率15~20%で3800~4200kcal、これが繊維飽和点の30%近くですと3300kcal、50%だと2300kcalとなる。(資料:ファイヤーサイドカタログから引用)
水分率30%や50%などと言うのは数字上の話で燃やす薪としては論外なのですが、どうやら巷の話によるとそうでもないらしい。

私のもとに寄せられた話しによると、「今まで薪を購入していたが全く燃えなかった。まずストーブ表面温度が上がらない。いつもドラフトを全開に(扉や灰受けを少し開ける)しながら燃やしていた。」との事。
また、この前の冬にはうまく燃えないとの話が届き診断に伺った家庭では、常に灰受け皿が空いて、そこからゴーゴーと空気が入っていました。当然その周りの灰は屋外に飛び出てしまい灰受けの灰に穴があいている。そして見た目は燃えているのに、思ったほど暖かくならない。
続いて11月ころ急遽ストーブを購入された方は、「今年は薪が間に合わないから購入したほうが良いよ」と説明しましたが、あり合わせの燃料を使われて1か月後の年末には煙突が詰まってしまった。
私の周りでこんな話を上げればきりがない、全て薪の乾燥不足から来る症状です。しかし自分で作った薪ならまだ本人自身の問題で済みますが、これが販売された薪となるとちょっと話は違ってきます。

まず薪の価格について考察してみましょう。上述の熱量を参考にすると、薪2キロの発熱量はおおよそ8000~8500kcal、石油(灯油)1リットルの発熱量は8771kcal、おおよそ釣り合う。薪と石油の発する熱量から計算すると石油の市場価格は100円/リットルとして、薪1トンで50,000円の数字が導き出される。ここに運賃や諸経費が乗るとして、巷の市場価格にうまく相当します。
すなわち、良く乾燥した(水分率15~20%以下)薪が、灯油と価格的に釣り合うのであって、これ以上水分が多ければ薪を購入しているだけではなく一部水を買っている事になってしまうし、発した熱量は自らの水分蒸発に奪われ、取りだせる熱量とはならない、いわゆる暖かくならないのである。特に新人の薪ストーブユーザーはほとんどこの事に気が付かない、これはけっこう大きな問題と私は思っています。

さて、私は薪販売業者さんのじゃまをする気はありません。
購入される方には、「いつ頃割った薪か尋ねなさい。もし1年以内の薪なら自宅で保管し2年後(来年分として)に使いなさい。次の購入からは2年先・2年先の薪として購入しなさい。その様にして自宅で良く乾燥された薪は、これだけすごいのかと思う位に良く燃えます。乾燥した薪の威力が理解できますよ。」と話す。
この辺りの説明は薪ストーブ販売店にはぜひお願いしたいし、薪販売店は薪の加工時期の明記や水分率表示はお願いしたいところです。その事で逆に信用は増し、商売は順調に行くことになるでしょう。
今年皆さんが使われる薪はいかがですか、よく乾燥していますか、たっぷり準備できましたか。
どんな薪ストーブを使おうと燃料は薪ですから、薪の乾燥が命です。
「薪は良く乾燥させる」「常に乾燥した薪を燃やす」と言う正しい理解が、今後再生可能で持続的なクリーンエネルギーとしての薪ストーブ文化、薪文化をますます前進させる事でしょう。
もうすぐ薪焚きシーズン、正しい認識のもと安全で快適な薪ストーブライフを共に送りましょう。

薪ストーブユーザーは薪の確保や整理に余念がないことと思います。また、併せて山からの伐り出しシーズンもやってきました。我がクラブの皆さんも2年後の薪作りを進めておられる事でしょう。

さて、今日は薪の市場価格と乾燥・薪の発するエネルギーについて少し考えてみたいと思います。
以前にも書きましたが薪は完全乾燥(水分ゼロなら)ですと4800kcalの熱量を発します。乾燥率15~20%で3800~4200kcal、これが繊維飽和点の30%近くですと3300kcal、50%だと2300kcalとなる。(資料:ファイヤーサイドカタログから引用)
水分率30%や50%などと言うのは数字上の話で燃やす薪としては論外なのですが、どうやら巷の話によるとそうでもないらしい。

私のもとに寄せられた話しによると、「今まで薪を購入していたが全く燃えなかった。まずストーブ表面温度が上がらない。いつもドラフトを全開に(扉や灰受けを少し開ける)しながら燃やしていた。」との事。
また、この前の冬にはうまく燃えないとの話が届き診断に伺った家庭では、常に灰受け皿が空いて、そこからゴーゴーと空気が入っていました。当然その周りの灰は屋外に飛び出てしまい灰受けの灰に穴があいている。そして見た目は燃えているのに、思ったほど暖かくならない。
続いて11月ころ急遽ストーブを購入された方は、「今年は薪が間に合わないから購入したほうが良いよ」と説明しましたが、あり合わせの燃料を使われて1か月後の年末には煙突が詰まってしまった。
私の周りでこんな話を上げればきりがない、全て薪の乾燥不足から来る症状です。しかし自分で作った薪ならまだ本人自身の問題で済みますが、これが販売された薪となるとちょっと話は違ってきます。

まず薪の価格について考察してみましょう。上述の熱量を参考にすると、薪2キロの発熱量はおおよそ8000~8500kcal、石油(灯油)1リットルの発熱量は8771kcal、おおよそ釣り合う。薪と石油の発する熱量から計算すると石油の市場価格は100円/リットルとして、薪1トンで50,000円の数字が導き出される。ここに運賃や諸経費が乗るとして、巷の市場価格にうまく相当します。
すなわち、良く乾燥した(水分率15~20%以下)薪が、灯油と価格的に釣り合うのであって、これ以上水分が多ければ薪を購入しているだけではなく一部水を買っている事になってしまうし、発した熱量は自らの水分蒸発に奪われ、取りだせる熱量とはならない、いわゆる暖かくならないのである。特に新人の薪ストーブユーザーはほとんどこの事に気が付かない、これはけっこう大きな問題と私は思っています。

さて、私は薪販売業者さんのじゃまをする気はありません。
購入される方には、「いつ頃割った薪か尋ねなさい。もし1年以内の薪なら自宅で保管し2年後(来年分として)に使いなさい。次の購入からは2年先・2年先の薪として購入しなさい。その様にして自宅で良く乾燥された薪は、これだけすごいのかと思う位に良く燃えます。乾燥した薪の威力が理解できますよ。」と話す。
この辺りの説明は薪ストーブ販売店にはぜひお願いしたいし、薪販売店は薪の加工時期の明記や水分率表示はお願いしたいところです。その事で逆に信用は増し、商売は順調に行くことになるでしょう。
今年皆さんが使われる薪はいかがですか、よく乾燥していますか、たっぷり準備できましたか。
どんな薪ストーブを使おうと燃料は薪ですから、薪の乾燥が命です。
「薪は良く乾燥させる」「常に乾燥した薪を燃やす」と言う正しい理解が、今後再生可能で持続的なクリーンエネルギーとしての薪ストーブ文化、薪文化をますます前進させる事でしょう。
もうすぐ薪焚きシーズン、正しい認識のもと安全で快適な薪ストーブライフを共に送りましょう。

Posted by 薪割りくらぶ at
13:46
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