森林センター林業技術研修会(楢枯れ)

2010年12月23日

12月21日、第3回森林センター・林業技術研修会がありました。今回は「ナラ類の集団枯損の現状と対策」、「ナラ枯れが広がる中での里山活動について」という内容で開催されました。
内容的には、ナラ枯れのメカニズムと被害状況、カシノナガキクイムシについて、対策と新しい防除技術開発、里山活動の方向性と再生方向など、多彩な内容であった。
森林センター林業技術研修会(楢枯れ)


森林センター林業技術研修会(楢枯れ)
研修には滋賀県各地から73名の方々が参加された。我がクラブからも事務局が参加し聴講した。

興味深かったのは、この10年余りの間に、全国各地で拡大方向にありながら、鹿児島地区の被害拡大がほとんど見られず、こなんの森・薪割りくらぶから質問してみた。

樹種によっては、非常に被害が拡大するものとそうでないものがあるとの答弁であった。ならば全国の樹種・樹林分布から、今後拡大が予測される地区とそうでない地区の予報ができるはずである。この質問に対し、研究員からは、年度末に向けて、予報すべく取り組むとの答弁を得た。これは今後里山活動やナラ枯れ対策を打つ上では大変重要なことである。

過日、南比良でナラ枯れ対象木の伐採作業をクラブ有志で行った。いずれも50~70年生の大木で、胸高直径60~90センチはあった。中でも被害木が枯れ死して2~3年経ったものは幹元から2mくらいがナラ菌に侵されもろくなり、その上部は芯材がしっかりと入り重心が高く下が脆いという非常に危険な状況にある。
今後各地の里山付近や人家付近、田畑に隣接した地域では倒木被害や二次災害が出るのではないかと危惧した。

また、里山からドングリの実がなる木が少なくなることを意味するわけだから、そこから見えるものは獣害の拡大である。獣の食糧自体がなくなるのであるから、生きんがために獣も死に物狂いとなるだろう。そう考えると今後の獣害は今までのレベルでは収まらない大きな問題となる可能性を秘めている。そしてそのあとに来るのは、獣の自然淘汰である。
このことは私たち人間の未来を予測するようで恐怖すら覚える。
今日の異常気象や自然災害を思う時、あながち夢事ではない。そう考えると今の大人は学んでいる時期であろうか。考えている時期であろうか。もう行動しなければならない時期にあると思えてならない。


Posted by 薪割りくらぶ at 23:53│Comments(0)
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